ブロックチェーン・AI・システム開発の株式会社INDETAIL

ブロックチェーンフェスに寄せられた質問に、INDETAILとして回答を考えてみた(その2)

2019.05.13

今年の3月19日(火)に開催されたブロックチェーンフェスティバル 2019 in SAPPORO。
その来場者の方からのリアルタイムコメントに、私たちINDETAILのブロックチェーンチームが回答させていただく連載企画をお送りしていますが、全2回のうちの2回目となる今回は、当日の2つめのパネルディスカッション「ブロックチェーンの地域活性化とマーケティングへの活用方法とは?」に寄せられたコメントより、3つの質問をピックアップし、お届けいたします。

<目次>

  1. ブロックチェーンのユースケースは仮想通貨以外にもあるか。ポイント制度の代わりとして利用できるか
  2. 地域通貨とブロックチェーンの関係性について
  3. 各地域で独自のトークンが出たら、円通貨が不要になりそう。インセンティブの高い自治体にトークンは集まる?それは本当に活性化か

1.ブロックチェーンのユースケースは仮想通貨以外にもあるか。ポイント制度の代わりとして利用できるか

ブロックチェーン技術は、仮想通貨との関わりが大きいことにしても、そういう関係のない多くの用途も提供します。ブロックチェーンは、セキュリティを強化し、その効率を高める方法として、他のいくつかの業界に組み込むことができます。これは、ブロックチェーンが混乱を招く可能性があるいくつかの業界です。例えば、音楽業界、機械学習、法律業界、データ産業などです。
一般的に、ブロックチェーンは、透明性を必要とするアプリケーションを強化するために使用されます。ブロックチェーンのトークンの最も明確な使用例の1つは、世界中のロイヤルティプログラムでよく使用されているポイント制度に代わるものです。以下にブロックチェーンと従来のポイント制度との大きな違いについて説明します。

所有権

ポイント制度の場合:

ユーザーに与えられるポイントは、厳密にはユーザーに所有権はなく、発行プラットフォーム上を除いて、ポイントが表す価値に対して権利を持ちません。自分のポイントを他のユーザーに譲渡できないのがそれを表している良い例となります。

トークンの場合:

トークンを所有すると、所有権を持ちます。誰かに取り出されることはありません。

有効期限

ポイント制度の場合:

ほとんどのポイント制度では、一定期間経過後、ポイントは失効されます。

トークンの場合:

発行会社がトークンを期限切れにすることはできません。発行されたトークンの所有権は、ブロックチェーンに記録され、期限切れになることは基本的にないと言えます。

開示性

ポイント制度の場合:

発行会社は個々のユーザーのポイント情報を記録するために中央集権のデータベースを使用。ユーザーは、他のユーザーのポイント数を知ることはできません。

トークンの場合:

パブリックブロックチェーンで管理されていれば、トークンの所有権は公然と記録されています。

セキュリティ

ポイント制度の場合:

データベースが定期的にハッキングされ、顧客データが盗まれ、プライバシーが侵害され、ハッカーによって消去または変更される可能性さえあります。

トークンの場合:

所有権データは世界中の多くの「ノード」間で複製されます。これは非常に安全なシステムです。

2.地域通貨とブロックチェーンの関係性について

ブロックチェーンは地域通貨として社会に利益をもたらす可能性があります。実際、ブロックチェーン通貨と一般通貨には多くの共通点があります。一般通貨が集中生産に役立つ場合、地域通貨は民主化を表し、地元企業を支援し、消費者が自分たちのお金が地域経済でどのように循環するかについて住民に学んでもらう良いツールになることもあります。
ブロックチェーン技術に基づいて構築された仮想通貨ベースのソリューションを採用することで、ソーシャルキャピタルを構築でき、それ以外には不可能な方法で地域社会に利益をもたらすことができます。これがどのように機能するかを、いくつかのプロジェクトを例に見ながら説明していきましょう。

HullCoin


ブロックチェーンが地域通貨の開発に活用されているプロジェクトの1つに「HullCoin」というものがあります。

Hullcoin | Unlocking the hidden value in Hull's economy
http://www.hull-coin.org

このプロジェクトは、ビットコインのような技術が地域社会を支援する可能性があるかを調査したものです。市議会によって行われており、コミュニティに利益をもたらすサービスの支払いに使用される予定の仮想通貨です。この目的は、物資や人やサービスの不足を削減し、それらが最も必要とされている場所に確実に届くようにすることです。HullCoinは、アプリ上の組織を通じて認可されている活動を行っている個人によって保護することができ、この情報はシステムに格納されています。
奉仕活動などで稼いだコインは、さまざまな小売業者を介してサービスや商品などに引き換えることができます。すべての活動は必ずしも平等ではありません。例えば、ゴミを拾うことなど、一部の人にとって魅力的なタスクを実行するために、より大きな報酬または割引を提供できることもあります。

Colu

また、HullCoin以外にも、地域通貨は今までと違う決済モデルを提供できます。例えばColuという仮想通貨の場合では、売り手や消費者はアプリをダウンロードするだけで、P2Pコミュニティ決済を利用することができます。アプリの便利な機能はユーザーが地元の通貨を受け入れる他の売り手を探してくれることです。

Colu
https://www.colu.com

Coluは現在テルアビブで2つの地方通貨を運営しています。他の地域にもその魅力が伝わり、今後、運営エリアを広げて、全国規模になると予想されています。

「HullCoin」と「Colu」、この2つの例を見るだけでも、地域通貨がどのように変換され、将来の次のレベルに進むことができるかを垣間見ることができます。このようなプロジェクトが地域通貨を通してより良い社会資本を生み出していくことでしょう。

3.各地域で独自のトークンが出たら、円通貨が不要になりそう。インセンティブの高い自治体にトークンは集まる?それは本当に活性化か

地域の独自トークンは円と横並びになることはなく、また、横並びにしない方が良いと考えます。
同じ価値観を持った人同士でつくられるコミュニティにおいて、定量化できていない価値に対して、その価値を定量化し、交換する手段としてトークンがあります。
トークンは、基本的にそのコミュニティ内でのみ流通するものなので、貨幣に換金するという概念自体がありません。円やドルとは違う世界の価値と思っていただいたほうが良いかもしれません。

よって独自トークンの価値交換は、円やドルなどの貨幣ではなく、まだ定量化されていないモノやコトを対象にするのが先ずは最初の段階です。例えば、ブロックチェーンフェスティバルでも挙がったような「サッカーの試合での始球式に参加」できたり、「ニセコのスキー場の朝一番のパウダーを滑ることができる」といったようなことです。

もし仮に、地域の独自トークンが貨幣の代替になりうるとすれば、それは、その自治体が社会主義的に独自のエコノミーとして構築された場合であり、その地域内でのみ利用できる通貨としてトークンを流通させるならば可能性はアリだと感じます(しかし、これはまだまだ遠い未来の話ですね)。

配信映像をご覧いただけます

先日のブロックチェーンフェスティバル 2019 in SAPPOROのレポートは、BHIPが運営する「ブロックチェーンオンライン」にて公開中です。また、ライブ配信のアーカイブも現在ご覧になれますので、以下のリンクよりチェックしてみてください。

【レポート&資料公開】ブロックチェーンフェスティバル 2019 in SAPPORO | BlockChain Online ブロックチェーンオンライン
https://blockchain-jp.com/event/2934