2018年2月3日第16回日本医療情報学会北海道支部学術大会 講演レポート
2018年2月3日(土)に行われた「第16回日本医療情報学会北海道支部学術大会」にて弊社代表の坪井大輔がブロックチェーンに関する講演をいたしました。
本日はその模様をお伝えいたします。
イベント概要
第16回日本医療情報学会北海道支部学術大会
主催者: 日本医療情報学会北海道支部
13:20 - 13:30 支部総会
13:30 - 14:30 ブロックチェーンの現状と産業へ与える影響
/ 株式会社INDETAIL 代表取締役 坪井 大輔
14:40 - 15:40 エストニアに見る医療情報システムの未来
/ 日本・エストニア/EUデジタルソサエティ推進協議会 牟田 学 様
15:50 - 17:00 会員発表(研究発表/事例報告)
https://www.facebook.com/events/153377451948299/
会場は北海道大学クラーク会館 講堂
会場は北海道大学キャンパス内にある北海道大学クラーク会館。開放感あふれる510名まで収容可能な大変大きな会場でした。
ブロックチェーンの現状と産業へ与える影響
ブロックチェーンの基礎知識
まず「ブロックチェーンとは?」という話題から、ブロックチェーンに関する基礎知識を簡単にご説明し、活用例として、さまざまな分野で実証や実サービス化が始まっているブロックチェーンのユースケースをご紹介しました。
ICOについて
ブロックチェーンの話題の中でも、ICOや仮想通貨系の金融分野での活用動向が最近ニュースを騒がせているため、皆さんにとって身近な話題となりつつあるのではと考え、今回はこのテーマを深堀りしてお話をさせていただきました。
まずは「ICO」について。
「ICO」とは「Initial Coin Offering(新規仮想通貨公開)」の略で、独自のトークン(仮想通貨)を投資家に売り出して、仮想通貨取引所に上場し、誰でもそのトークンを取引できるようにすることを意味します。
「IPO(Initial Public offering)」との共通点や違いなどを例に、ICOの流れをわかりやすく解説するとともに、昨今「仮想通貨詐欺」「ICO詐欺」などのキーワードでニュースになることも多いICOにまつわるトラブルの例も合わせて、ブロックチェーン活用の観点から見たICOというものについてご紹介いたしました。
仮想通貨取引について〜コインチェックの580億円不正流出事件を紐解く
続いては、仮想通貨取引の現況について。
このテーマではタイムリーな話題である『コインチェックの580億円不正流出事件』をトピックとして取り上げました。
この事件は私どもでは『ブロックチェーンの技術的特徴』が本当にわかりやすく表出したものと考えています。
重要なことは『ブロックチェーンはやはり今まで破られていない』ということで、過去の不正流出はすべてブロックチェーン技術の「外」で起きています。
例えば、過去の大規模な仮想通貨の流出事例である「マウントゴックス」の事件は、当初取引所がサイバーテロに合い不正流出したと言われていましたが、捜査の結果はその取引所の社長による横領でした。
今回の「コインチェック」の件も、仮想通貨を管理する「体制」に不備があったと指摘されておりブロックチェーンの外の部分でのセキュリティの問題である、とご紹介しました。
さらには、逆にブロックチェーン技術だからこそ、取引履歴は誰もが見ることができ、流出した後もNEMの動きは特定/把握され監視されているという状況にあることから、ブロックチェーンの技術のメリットが証明されたことを付け加えました。
これからのIT活用
最後に、先進技術のひとつであるブロックチェーンは、インターネットのように今後さまざまな分野で活用される技術になると言われていることをふまえて、ブロックチェーンを含めた先進技術の活用による産業振興の可能性についてお伝えしました。
今までは「Amazon Go」など、IT業界のプレイヤーがテクノロジーを生かす場として他業界へ参入するケースが話題になりやすい状況でしたが、本来、IT産業がひとつの産業として存在するのではなく、IT産業は他のさまざまな産業の分野に「横串」で刺さるものだと考えます。
IT産業以外の領域にいらっしゃる各専門業界の方が、現代の4種の神器と言われる「 IoT・クラウド・ブロックチェーン・AI」といった先進的なテクノロジーについての知見をもっと深めることで、ITを各産業で活用していただきたいとお話しさせていただきました。
エストニアに見る医療情報システムの未来
次に、日本・エストニア/EUデジタルソサエティ推進協議会 牟田学 様による講演が行われました。
エストニアは人口131万人と人口だけで見ると札幌よりも小さな国家ですが、昨今、世界でも有数の『デジタル国家』と言われ、世界中から注目を浴びています。
『デジタル国家』と呼ばれるその所以として、エストニアは国家としてデータベースを持ち、国民を識別する個人番号や資格情報や医療情報まで、あらゆる分野の情報がデータ化され連携していることが挙げられていました。
エストニアにおけるブロックチェーン技術の活用
ブロックチェーン技術については、エストニアでは早くから政府レベルでの活用が進んでおり、ブロックチェーン先進国でもあります。政府の公的データベースの可用性を損なうことなく運用することを目的とし、プライベートチェーンで活用されているとのことです。
医療制度の面では、電子化による効率化とデータの信頼性の担保が両立されており、例えば処方箋の電子化率が99%であったり、出生時にまず病院から電子出生証明書の発行と同時に個人番号が生成されるそうです。
電子化が進んだ社会の一例を伺い、大変参考になりました。
関連リンク
弊社が取り組みを進めている医療系のブロックチェーン活用事例
「ブロックチェーンを活用した医薬品のデッドストック販売プラットフォーム」について、PoC [Phase1] の詳細資料をダウンロード提供しております。
https://blockchain-jp.com/trends/1099
日本一わかりやすいブロックチェーン情報サイト
https://blockchain-jp.com/
BlockChain Online 運営:ブロックチェーン北海道イノベーションプログラム(BHIP)