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  • 2019.11.07
  • Events

【レポート】今年もNoMapsは大盛況!90分語り尽くす「ブロックチェーンの可能性と課題」

2019年10月16日より、北海道札幌市にて行われた「NoMaps 2019」。
そのビジネスカンファレンスのひとつとして、初日の16日(水)にはBHIP主催によるパネルディスカッション「全世界をオンラインでつなぐ ブロックチェーンの可能性と課題」が開催されました。

BHIP代表理事を務める弊社代表の坪井大輔をモデレータに、世界で活躍する3名のゲストをお招きし、トークンコミュニティ、Libra、途上国問題に世界平和まで、90分間ノンストップでの熱い議論が交わされました。

ゲスト

  • 安田 クリスチーナ氏:
    マイクロソフト・コーポレーション
  • 伊藤 佑介氏:
    博報堂 ブロックチェーン・イニシアティブ
  • ビクトル ブリズガロフ氏:
    Outchain LLC(イギリス・ロシア) CEO、創業者
    Money Zebra Labs (イギリス)  CTO、共同創業者

まずは各人の自己紹介からスタート。安田氏からは開口一番「ブロックチェーンで世界を変えられると本気で信じています」と強いメッセージが投じられ、伊藤氏からは「ブロックチェーンの波に熱狂したい」、ビクトル氏からは「サトシナカモトさんの国で、自身の経験をシェアできることに感謝します」と、それぞれの想いが語られました。

トピック

当パネルディスカッションは、大きく以下のトピックについてトークが交わされました。

世界のオンライン人口比率


大陸ごとのオンライン人口やネット普及率などのデータを見ながら、中国は「BAT」3強によりあれだけ発展しているが、実のところ国内のネット普及率は世界的には平均値レベル。つまり、伸びしろがまだまだあることはアメリカにとって脅威となるため、だからこそアメリカは中国にお金を渡したくない、という貿易摩擦の話題に触れつつ、一方、アフリカや東南アジアはリープフロッグにより、オンライン人口が急速に増えてきている現状があり、それらを踏まえて次のようにゲストに投げかけます。

アフリカや東南アジアに、貨幣資本主義・GAFAデータ資本主義を導入すべきか?


これについては、GAFA式を入れてしまうと、結局潤うのは中央の組織だけであり、個々人のデータは自らのために活かされ、飢餓・貧困根絶のためにこそ使われるべきとして、ブロックチェーン思想のもと自律分散社会や組織による新たなインフラ構築が必要と結論づけました。


ちなみにこの議論の最中には、安田氏から「自分が誰なのかを証明できないために、医療サービスを受けられない人がいる」というケースが紹介され、

  • 欲しいのは水や食料ではなく、アイデンティティだという人がたくさんいる
  • アイデンティティがあれば働くことができ、自分で水を買える

という言葉からは、本来あるべき根本的な解決策を見たように思います。

MONEY ZEBRA(ビクトル氏が手掛けるマイクロペイメント)


続いては、わざわざこの日のためにロシアから来てくださったビクトル氏が手掛ける「MONEY ZEBRA」についてです。

簡潔にいうと、アフリカの個人とヨーロッパ・欧米・アジアなどの諸外国の投資家を結びつけるマイクロペイメントプラットフォームです。融資相場はだいたい20~数100ドル。特徴的なのは、オークション形式で投資家が参加することで、最も貸付利率の低かった投資家に投資権が与えられるという仕組みです。融資を受ける側の個人に優しい設計となっています。

ここでは、個人の「信用スコアリング」に話が及ぶと、
ビクトル氏からは、「安田氏の取り組む個人のアイデンティティ確立とMONEY ZEBRAは密接な関係にある」といった意見や、安田氏からは「日本もベトナムに対して同じような個人間融資を試みているが、ベトナムで個人のスコアリングができていないために、検討しては止めての繰り返し」といった現状も紹介されました。

Libraについて


続いてはLibraについてです。
当イベントの直前、Libraに関してはネガティブなニュースが世間を賑わせました。

  • PayPalに続き、大手決済企業など6社が新たにLibra協会から脱退したこと
  • G7がグローバルなステーブルコインに強い警戒心を表明したこと

これらの流れを受け、ゲストからは以下のような意見が交わされました。

  • 取り組みとしては面白いが、分散性、プライバシーなどの観点からLibraへの信頼は薄い(ビクトル氏)
  • 通貨発行主がいるということは、攻撃を受ける対象がいることになる(伊藤氏)
  • Facebookは、結局データ集めをしたいだけなのか、という見方もできてしまう、みなさんどうか?(坪井)
  • データ集め自体は悪く思わない。その使い方が大切(安田氏)
  • ありがたい一方で、まだ未熟。正しい解があるわけではないが叩き台としてFacebookに矢が向いてしまっている(安田氏)
  • 議論していても発展途上国は豊かにならない(坪井)

まとめとしては、国も企業もデータを使いたい、それに対し今回のLibraという取り組みは議論をする対象ができたという点では良いきっかけであったとし、なかなかスムーズにいくものではないが、今後の動きには注目していきたい、とくくりました。

トークンコミュニティ・エコノミーについて


そして最終テーマは、トークンコミュニティ/エコノミーについてです。

これについては、まず日本勢から、

  • 価値を定量化し、それを交換できる仕組みができたら未来は明るいのでは(安田氏)
  • 資金調達手法としても着目(安田氏)
  • 人間はデータを所有できるようになることで、例えばゲーム内でアイテムの貸し借りもできるのでは(伊藤氏)

と投げかけます。それに対し、ロシアでの取り組みとしては

  • スタートアップが新たなサービスを提供する際、そのサービス内でトークンを流通させている例がしばしばある(ビクトル氏)
  • 企業内で社員へのインセンティブとしてトークンが付与される(ビクトル氏)

といった事例も紹介されました。

あっという間の90分


本日のパネルディスカッションに際し、坪井は会場のお客さんに向けてこう宣言していました。

「今日は暴走する会です。お客さんの半分以上が置いていかれるかもしれない難しい議論をします」。

まさにその言葉の通り、通常のブロックチェーンのセミナーなどと比べて極めて突っ込んだ内容でのパネルディスカッションになったのではないかと思います。

任意回答にて実施のアンケートでは、回答いただいた51名中45名の方から「大変満足」という結果をいただきました。そのアンケートのコメント欄では

  • 登壇者のみなさんの熱量が伝わりました
  • 話にリアリティがあった
  • 自分の知見が広がった
  • 私も世界を変えたいです

といった熱のこもったご意見もお寄せいただきました。
LINE社などをお招きした昨年のパネルディスカッションにも引けをとらないくらい、今年も本当にたくさんの方にご来場いただきました。この場をお借りし感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

ともに世界をアップグレードできる、そんな日を夢見て。
Upgrade the World!